群れの中でケンカが起こることがあります。
ゴリラは勝ち負けをはっきりさせることが嫌いなので、負けたくはありませんが、相手にしつこく勝とうともしません。
ゴリラは握力が500kgあり、ギネス記録にも認定されていてその記録は600kg。なので、オスたちが実際に組み合ったら、ケガをせずにはいられないでしょう。ゴリラは知能が高く痛みを感じやすいため、戦闘は積極的には仕掛けませんが、引き下がれば負けを認めることになってしまいます。
はじめは、相手をにらんだり、ゴッゴッとほえたり、手で追い払ったりすることで威嚇やけん制をします。相手もそれにほえ声や叫び声で応酬すると、ケンカがエスカレートします。しかし、ケンカが大きくなる前に別のゴリラが仲裁に入ります。すると次第に興奮を鎮まります。仲裁が入るおかげ様でお互いに面子を引き分けることができます。
その為、仲裁には年長のオスゴリラだけでなく、若いオス、自分より力の弱いメスや子どもたちでも受け入れます。そういった、仲裁してくれる仲間がいるからこそ、ゴリラは自己主張しながらも対等な関係を保っていられるのです。
ケンカの後は顔を寄せ合ってみつめます。「相手の顔をのぞきこむ」という行動です。この行動は、仲直り以外にも、相手をなだめたり、遊びや交尾のあいさつとしても使われます。